ウケるネタとウケないネタがあります。そこにはいろんな要素があります。芸人本人の見た目やキャラもありますが、そういった事を度外視して、まずは誰でもが改善できる3つのポイントをウケるネタの条件とウケないネタの条件としてあげてみました。
お笑いを志す人だけではなくて、YouTubeに動画を投稿する人や、ブログに記事をアップする人、ビジネスマンなど、物作りをする全ての人の役に立てればと思います。
↑記事と一緒に動画を見ると理解が深まります↑
目次
ウケるネタの条件
ウケてるという事は、お客さんに面白さがちゃんと伝わっているという事です。しかし、そこには、いろんな笑いがあります。そんな中でも、いい笑いが発生している場合の条件をあげてみたいと思います。詳しいネタの作り方に関しては以下の記事&動画で詳しく解説しています。
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設定が新しい
まずは設定が新しいという事。設定というのは、その物語の状況設定の事です。これは小説、ドラマ、映画、舞台など、全てのクリエイターがまず最初に着手する事です。ありふれた設定では、ありふれたボケしか生まれません。いい設定を見つける事ができたら、勝手にボケが溢れ出てきます。
というか、この設定こそが全ての始まりであり、誰もやっていないような設定を見つけることができれば80%は勝ったも同然です。音楽を作る時のコード進行のようなものです。ミュージシャンがコード進行を考える時、全てビートルズがやられている、というような言います。
コード進行には、数が限られているかもしれませんが、お笑いにおいては設定は時代と共に変化していきます。昔は、SNSなどありませんでした。30年前には、携帯電話すら普及してなかったので、そのようなコントはありませんでした。
このように時代と共に設定は新しいものが見つかるようになります。その中で、いち早く誰もやってない、いい笑いが生まれそうな設定を見つける必要があります。いい設定が見つかれば、勝手に面白いボケが溢れるように出てきます。
いい設定の例題を映画で、あげてみるなら、バックトゥザフューチャーやミッションインポッシブルなどです。バックトゥザフューチャーは、タイムマシンを使って、過去や未来を行き来できます。過去を変えれば未来が変わります。過去の奮闘ぶりが未来にどう反映されるのかも面白いポイントです。
ミッションインポッシブルは、スパイというミステリアスな職業です。そして、いつも新しい小道具が出てきます。その小道具を見てるだけでも楽しいです。そして、アクションから恋愛から最新の道具まで、何でも取り込める箱になっています。
ネタ作りをする時に、まずやるべき事は設定探しです。もし、あなたが物作りをする時は、設定探しから始めてみてください。ただゲーム実況をするだけじゃなくて、興奮した時は英語を喋るとか、そんな事でも他の人との差別化が出てきます。毎回「@@しながらゲーム実況」とかでもいいのです。他と背別化するための設定を見つけたら勝ちであり価値があります。
不自然さが1ミリもない
笑えるという事は、見ている側に一切の疑問が生じていないという事です。1ミリでも疑問を抱かせてはいけません。むしろテレビでネタをするとなると、子供から60代70代の人まで、たくさんの人が見ています。
人間というのは、疑問を感じると、自分の頭の中で、その疑問を解決したくなります。気持ち悪いのが嫌なので、スッキリしたいのです。いい設定を見つけても、そこに嘘や無理があると話が止まってしまいます。
みなさん、こんな経験はないでしょうか?ドラマを見ていて、役者が必要以上にオシャレに振舞ったり、日常会話で、そんなキザなセリフをいう訳ないやろ!とか、ジョークがしょうもなさ過ぎて胸焼けがする、みたいな経験です。
このような時は、大体が作り手のエゴが勝ち過ぎていて、世間とズレが生じている瞬間です。これが続くと離脱する人が増えていきます。あくまでも自然に、綺麗に流れて疑問を抱かせないようにしましょう。
普段から噛み倒してる僕が言うのもなんですが、噛むという行為もダメです。噛んでしまうと「ん?今、何て言ってたんやろ?」と疑問を抱かせてしまいます。
ツッコミが適切である
ツッコミの言葉が適切でないと気持ち悪さが残ります。例えば、以下のようなダジャレを言った人がいたとします。そのダジャレに対して過剰にツッコムと、どう感じるでしょうか?
ボケ「めっちゃ雨降ってきたな。これがゴリラ豪雨か」
ツッコミ「ゲリラ豪雨や!ゴリラちゃう!ゴリラが降ってきたらおかしいやろ!ゴリラが落ちてきたら世の中ゴリラだらけになってまうわ!もしそうなったらゴリラに襲われて人類破滅してまうぞ!」
どうでしょうか?これだけ長くツッコンでいたら、長いし不自然ですよね。それほど面白くないボケに対して、過剰なほどの長いツッコミは必要ありません。ツッコミとは、ここは笑うとこですよ、というおかしな事が起きてますよ、と分からせる行為です。
適切な言葉で適切な文字数で、気持ちよく話が流れていく事が重要です。
ウケないネタの特徴
ウケないネタというのは、スベってる状態ですね。スベってるのは、まだマシです。スベるよりいけない事は、何をやっているのかすら、お客さんに伝わっていないという状況です。では、なぜ、そうなるのか解説していきます。
5w1hが分からない
そもそも、どこで誰が何をやっているかが分からない、という見世物になっている事があります。5w1hの「いつ」「どこで」「誰が」「誰と」「何を」「どうする」これら全てが揃ってなくてもいいです。
しかし、誰と誰が、どういう関係性で、その場所にいるのか、という事ぐらいは分かっていないと疑問だらけです。疑問を抱かせて、頭の中が「?」だらけになってしまうと全くウケないです。
あとは状況設定が薄すぎるというのもダメです。例えば以下のようなコントです。
A「インタビューさせて貰えますか?」
B「はぁ。なんでしょうか?」
A「何のインタビューだと思いますか?」
B「なんでクイズ形式やねん!」
野球のヒーローインタビューなのか、ワイドショーのインタビューなのか、政治家が不祥事の時のインタビューなのか、何をやってるのか状況設定が薄すぎます。インタビューを受ける側の人も、大学生なのか、会社員なのか、高校生なのか、死にかけの老人なのか、などなど、設定次第で話の内容が変わってきます。状況設定は、登場人物の履歴書を作るぐらいやりましょう。
捨てネタが頭に残ってる
これは若手芸人によくある傾向です。ネタを考え続けた場合、頭の中には、捨てネタが積もっています。その上で、また別のネタを考えます。そうすると、前の捨てネタと新しく思いついたネタが組み合わさって、めっちゃ面白いものができる時があります。
しかし、ここで気をつけないといけません。お客さんは、頭の中にあった捨てネタを知らないのです。そのままネタを作って、本人達は、面白いと思ってやったけど、全くウケなかったという事があります。
まず一度、頭の中を整理整頓する必要があります。頭の中にあった、捨てネタの部分をちゃんと簡潔に説明して、理解してもらった上で、新しく思いついた部分を伝えないと、お客さんと演者の頭の中の状況設定が一致していません。
例えば、芸人2人が「中学生のいじめられっ子のコント」を考えていたとします。しかし、その後、テレビでやっていたスパイダーマンに触発されて、ハエに刺されて「正義のヒーロー、ハエ男のコント」を考えたとしましょう。
このハエ男は、元々は、いじめられっ子だったので、ヒーローのくせに敵がきたら隠れるし、怒鳴られたらすぐに謝るとしましょう。これを中学生のいじめられっ子の部分を説明せずに、いきなりハエ男の部分から演じても、いまいち伝わらないです。
いじめられていた中学生が、ハエに刺された事がキッカケで、ハエみたいなお面をつけて正義のヒーロー・ハエ男になった、という状況を手短に説明するだけでいいのです。この世にして、お客様の頭の中と作り手の頭の中を一致させておく必要があります。
フリが下手くそ
スベらない人というのは、フリが上手いです。逆にフリが下手な人は、いつまでたってもスベります。最もやってはいけないフリというのは「ねぇねぇ聞いて!こなだ、めっちゃ面白い事あったの!」というフリです。
お笑いにおいては自殺行為です。自ら今から面白い話をします!と宣言してハードルをあげています。これでは、面白い話も普通の話のように聞こえてしまいます。
このように、漫才でも、ボケの前には必ずネタフリが存在します。このネタフリで、いかにハードルを下げたり、相手の目線をそらしたりする必要があります。
コミュニケーションが上手いは、このフリが上手です。一般的な会話の場合は前置きのようなニュアンスです。YouTubeでも同じです「これからスゲエ事が起きますよ!ご期待くださいね!」というよりは、「今日は、ちょっとだけいつもと違う事が起きます。そこまで期待しなくてもいいのですが、でも見て損はしないと思いますよ」ぐらいの方が、衝撃度は高くなります。
このようにフリが上手になると、いろんな物事を上手に伝えられるようになります。
まとめ
ざっとまとめましたが、上記以外にも様々な要因があります。しかし最低限、上記の事を念頭において、物作りをしていくと、それほど質の悪いものにはならないはずです。
もし、今後、何かを作ったり、伝えたりする事があれば、参考にされてみて下さい。