会話がすぐ止まってしまい、長く続けられない人がいます。それは相手に答えを求めているからです。人は考えさせられるのを嫌います。そうならないように、相手に選択肢を与えてあげます。
そうすると、相手は考える手間が省けるので、会話が続きやすくなります。そのための具体的なテクニックについて解説していきます。
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目次
二者択一話法とは?
アメリカの催眠療法者・心理学者のミルトン・H・エリクソンが提唱したものです。選択話法とも言います。人は、漠然とした質問には即答できません。例えば以下のような質問です。
選択肢のない質問
今日の夜は何食べたい?
選択肢が多すぎますよね?このように選択肢が多い時、人は「思考する」という作業をしないといけません。興味のある話題で、本人が前のめりになっている状態であれば、ざっくりとした質問でも構わないです。
しかし、日常会話の中では、常に意識がハッキリして頭がフル回転の状態の方が珍しいです。人は考えさせられることを面倒臭いと感じてしまいます。だからこういう時は選択肢を与えてあげるとすぐに会話が転がります。
選択肢のある質問
今日の夜は何食べる?和食?それとも洋食がいい?
これならすぐに答えられます。これが二者択一話法です。これをビジネスにも活用しようと言うのが一般的な二者択一話法です。
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一般的な二者択一話法
あなたが大手家電量販店に行ったします。あなたは、パソコンが古くなっているので、もし安くていいのがあれば、いつか買い換えたいなぁと思っています。今日はウィンドウショッピンとして、パソコンを見るためだけに立ち寄りました。
この時に店員が寄ってきて「パソコンの購入をご検討ですか?」と聞かれたら軽く受け流すでしょう。しかし、この時に「パソコンですか?ウィンドウズとMacのどちらをお使いですか?」と聞かれたら、ついつい答えてしまうと思います。
さらに「次に検討されてるのは、ウィンドウズとMacのどちらですか?」と聞かれたら答えてしまいますよね。答えなくても構いません。店員が「ちなみに、それぞれメリットとデメリットがありますよ。主な使用用途はネット閲覧ですか?動画編集などのお仕事用ですか?」と質問してきます。
このように、どんどん二択で迫られたら、ついつい答えてしまいますよね。これらの質問は、全て「購入」が前提になっているのがポイントです。店員は言葉にはしていませんが、「購入するならどっちがいいですか?」という質問をしてきています。
この状態の会話を繰り返し続けていくと、心理的に、購入したくなってくるのです。少しづつマインドコントロールされてる状態です。さらに、もう一つのテクニックであるイエスバット話法で、小さいイエスを積み重ねていきます。
お客さんの言葉に「そうですね」と納得して気持ち良くさせていき、信用できる人だと思って貰い、気が付いた時には、いつか購入しようと思っていたパソコンを買ってしまった、と言う事になります。
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お笑い的二者択一話法とは?
お笑い芸人の会話のテクニックを駆使した二者択一話法について解説していきます。
二者択一プラス逃げ道も用意してあげる
芸人がトークをする時に、上手にボケ側の人間を追い込んであげます。ただ逃げ道がないほど追い込んでしまうと、何も答えられなくなってしまいます。その時に、逃げ道を用意しておいてあげます。
例えば、以下のようなやりとりです。
逃げ道のある質問
ツッコミ側「なんで遅刻してん?バイトか?それとも昨日、遅くまで酒飲んでたんか?」
ボケ側「飲んでた」
ツッコミ側「仕事に影響するほど飲むのは辞めろって言ったよな?言ってなかった?」
ボケ側「言ってた」
ツッコミ側「お前、ええ加減にせえよ!」
ボケ側「ごめん」
ツッコミ側「ま、いつまでも怒ってても仕方ないな。とりあえず今晩どうする?ご飯だけにする?飲みに行く?」
ボケ側「朝まで行こか〜!」
ツッコミ側「それがアカン言うとんねん!」
このような芸人っぽいやりとりが日常ではないかもしれません。でも逃げ道を用意する事は可能です。例えば以下のような二者択一の場合、どちらも希望していない場合も考えられます。
逃げ道のない質問
質問者「今日、何食べる?和食?それとも洋食?」
答える側「・・・」
これを以下のようにしてあげると答えやすくなります。
逃げ道のある質問
質問者「今日、何食べる?和食?それとも洋食?ちなみに僕は好き嫌いがないから他の選択肢でもいいよ」
答える側「じゃ中華かな」
このようにして、相手が二択以外で答えられるようにしておきながら、さらに他の選択肢も可能なようにしてあげます。こうしておくと答えに困る人はいなくなります。
二者択一+リアクション
まず1つ目の二択の質問に対する相手の返答があったら、ちょっと驚きます「え?マジで」と。仕事相手なら「え?本当ですか!」とリアクションします。
そして2つ目の質問に対する相手の返答に対して、またちょっと驚きます。
そして、3つ目の質問終わりで、同様に驚いて下さい「マジで!3つ共、全部、同じ答えやった!」と言ってみて下さい。価値観が3つも同じだと言う事にお互いの距離が、グッと縮まります。仕事相手なら「え〜!全部、同じ答えでした!こんな事滅多にないですよね」と。
本当は、一致してたのは2つだけでもいいのです。自分の主張をする事が目的ではなくて、相手と距離を縮める事が目的です。人は、自分の意見に同調してくれる人のことを自分の味方だと判断します。そうなると自然と距離も縮まります。
二者択一の質問がおかしい
これは最初から、一択を選ばせるような質問です。
20代後半の大人のカップルが、家で映画を見るとします。その時の選択肢です。
設問がおかしい質問
ミッションインポッシブル1とミッションインポッシブル2、どっち見る?
こんな質問をすると彼女は、ミッションインポッシブルを見たいことを理解してくれるでしょう。それでも他の選択肢を求めてきた場合は、以下のように質問してみて下さい。
設問がおかしい質問
ミッションインポッシブル見る?それとも、のび太の魔界大冒険見る?
ここまできたら、流石に彼女も折れてくれると思います。そして、ちゃんとなぜ見たいか、どれだけ面白いかを伝えてあげればきっと納得してくれるでしょう。このように自分が選んでほしい選択肢を常に入れていくという手法です。
まとめ
会話を長続きさせるためには、相手に面倒臭いことをさせないことが大切です。ほんのちょっとした気遣いで、選択肢を作ってあげるだけで、面白いように会話が転がっていきます。
さらに逃げ道を用意して、相手に自由に答えられるようにしてあげれば、答えられない、という事がなくなります。ただ1つ気をつけないといけないのが、短い時間に質問攻めにしないようにして下さい。
急ピッチで質問が続くと、問い詰められているように錯覚してしまいます。相手の事を想いながら、程よい頃加減で質問していきましょう。